ニーチェは、諸価値の転倒=転換を実行するためには、神を殺すだけでは充分でないということを、われわれに教えてくれた最初の人である。ニーチェの作品のなかで神の死を伝えるヴァリアントは多数にのぼり、少なくとも十四、五の異文があるけれども、それらはすべてきわめて美しいものである。ところがまさしくそれらの美しい断章のうちのあるものによれば、神の殺害者は「人間たちのなかでも最も醜い男」なのである。ニーチェの言わんとすることは、人間がある外的な権威を必要としなくなって、これまで受動的に禁じられていたものを自分自身で禁止し、自発的に警察力と重荷を背負うとき、つまりもはや外から来るとは思えない禁圧の力や重荷を自ら引き受けるとき、人間はさらにいっそう醜くなったということである。こうして哲学の歴史は、ソクラテス学派からヘーゲル主義者に至るまで、人間の長い服従の歴史であり、その服従を正当化するために人間が自分に与える数々の理由の歴史なのである。こういう退化の運動はなにも哲学のみに関わるのではなく、歴史の最も全般的な生成を、また最も根本的なカテゴリーを侵し、悪影響を及ぼしてきている。それは歴史における一つの事実というのではなくて、歴史の原理そのものであり、われわれの思想や生を、腐敗の症候として決定したさまざまな事件のほとんど大部分は、その原理に由来するのである。従って未来の哲学としての真の哲学は、永遠の哲学ではないのと同様に歴史的な哲学でもない。それは反時代的、つねに反時代的でなければならない。
ジル・ドゥルーズ/湯浅博雄訳『ニーチェ』(ちくま学芸文庫)
真の哲学は変わりゆくものなのだとしたら、「常に変わりゆく」「常に反時代的」という点では永遠になってしまいますよね、っていう揚げ足取りだ。クラス分けについてもう少し考えたいです。
■■生活
就寝:4時ごろ
起床:9時ごろ
朝食兼昼食:リーフレタスとベーコンのサンドイッチ
夕食:牛丼大盛り(350円)@すき屋
就寝予定:1時ごろ
起床予定:9時ごろ(11時に店開けないといけない)
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